北海道主催『いってみたいお店大賞』準大賞受賞
eyewearshop HOKUTO社長・大川 勝人氏 受賞インタビュー


大川 勝人氏
1950年旭川生まれ。(株)北斗代表取締役社長。大学卒業後,
メガネ店勤務を経て1977年に弟の達也氏と共同で旭川市内にホクトメガネを開店。
以来30年間,同地で営業を続ける。
平成19年4月に「eyewearshop HOKUTO」に店名変更。
旭川みずほ通商店街振興組合理事長,旭川市商店街振興組合連合会専務理事。
行政関係の委員も多数務める。

店について考え続けること,挑戦し続けることが魅力ある小売店を育てていく
商業課:「いってみたいお店大賞」
準大賞受賞おめでとうございます。北海道を全域とした応募の中から
eyewearshop HOKUTOさんが準大賞を受賞されたということで,旭川市内の
小売店が北海道を代表するお店として評価されたことを大変うれしく思って
います。
大川氏:ありがとうございます。
ただ,私たちとしましては,毎日商人としてやるべき事を当たり前に
やってきただけで,特別に何か大きな事をした,
という風には考えていないのです。長年店づくりについて私たちが常に
試行錯誤し,積み重ねてきた結果が今回の受賞につながったのだと受け止めて
います。
商業課:大川さんは商店街の要職を
長年務められていることから,私ども商業課でもお店に伺う
機会が多いのですが,
ここ数年の間にeyewearshop HOKUTOさんが急激に変化していることを
感じていました。どのようなきっかけがあったのでしょうか。
大川氏:2年ほど前に,
あるメガネデザイナーと出会ったことがきっかけです。
彼の作品を当店で取り扱うことになった時,当時の店の状態について
厳しい意見を言われました。私たちも長年プロの商人として店を経営して
きたわけですから,内心ではくやしさや葛藤がありました。しかしその一方で,
デザイナーの熱意や,作品に対する大きな愛情を感じ,
彼のアドバイスを受け入れることができました。
また,このとき内心で感じた大きな葛藤の中で,
やはり自分の店を良くしたい,前進し続けたいという思いを
再確認することができました。この出会いが当店を大きく変える転機となりました。
商業課:お店の中で特に変わった所を
紹介してください。
大川氏:まず,商品構成を大幅に変更
しました。当店を私たちと同世代の50代をターゲットとした
コンセプトショップと設定し,
自分が欲しい商品,自分が自信を持ってお薦めできる商品を
並べることを徹底しました。また,仕入れについては,
工場へ出向いたりデザイナーと直接会って,ものづくりの現場を体験し,
責任と愛情を持てるものだけを仕入れることにしています。私たちにとって,
メガネは単なる商材ではありません。作り手からお客様の手に渡るまでの間
お預かりしている大切な子供のようなものです。
さらに今年の春,内外装ともに大幅なリニューアルを敢行しました。
当店のお客様からご紹介いただいた腕の良い大工さんが,
私たちのイメージを実現するために細かい所まで色々相談に乗ってくれました。
また,経費も大幅に節約することができました。


国内外から厳選されたアイウェアが並ぶ店内。
中には北海道内ではeyewearshopHOKUTOでしか入手できないものも。


明るい光がショーウィンドーからこぼれる,
スタイリッシュな外観。

ネットワークを駆使して刺激し合える仲間づくりを
商業課:eyewearshop HOKUTOさんでは,
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)
を活用した広報や顧客との交流にも取り組んでいます。
これは大川さんのような団塊の世代の商店主では,
めずらしい取り組みではないかと思いますが。
大川氏:インターネットの活用に限らず,
団塊の世代が経営する小売店が,店を大幅に変えた例は,
当店以外ほとんど見当たらないのではないでしょうか。
よく,「毎日ブログを書くのは大変じゃないですか」と聞かれますが,
全て仕事の一環なのですから,毎日の店の掃除やメガネ拭きと同様に考えて
いますよ。それに,私たちはメガネが大好きですから,
毎日でも楽しく語ることができます。
世間ではweb2.0時代と言われているようですが,
インターネットのコミュニケーションツールを使うことで,
全国の魅力あるメガネ店やメガネが好きなお客様とのネットワークを作ることが
できました。北海道の地方都市に住んでいる私たちにとって,
こうした方々とのコミュニケーションによって,
互いに切磋琢磨し,時には励まし合うことのできる機会を得ることは,
とても重要なことです。
商業課:HOKUTOさんにうかがった時に
感じるのは,お客様が気軽にお店の中に入ってきて,
コーヒーを飲んだりお客様同士で話をしたり,
とにかくお店がお客様にとって商品を買う場所というだけでなく
,居心地の良い空間となっているようなんですね。
大川氏:お客様には,いつでも気軽に
当店に寄っていただけるように心がけています。店内のテーブルについたら,
お客様ご自身でコーヒー豆を挽いていただいてから私たちがコーヒーを
お淹れして,店内のゆったりした空気を感じていただきます。また,
不定期ですが,お客様同士が楽しく交流できるように,
コンサートなどのイベントも企画しています。
これには私が長年携わってきた商店街イベントのノウハウが大いに
役立っています。


インターネットを通じて親交を持った全国の
メガネ店の店主たちが,展示会などで一同に会することも。


毎回大好評の店内イベントは,企画から
実施まで店の顧客がボランティアとして携わっている。

魅力ある繁盛店を増やすことが商店街活性化の突破口となる
商業課:大川さんは,長年旭川の商店街リーダーとして活躍されてきました。
またその活動は商店街の枠内にとどまらず,
地域振興をテーマとしたセミナーのパネリストや,
行政の各種委員も務めています。今後の商店街振興の方向性について
お聞かせください。
大川氏:商店街は,地域に根付き,
地域と共存して成り立つものです。
そのため,みずほ通商店街ではコミュニティづくりを主眼とした
事業展開を基本としています。北星地区で恒例となっている地域行事の
いくつかは,私たちみずほ通商店街がゼロからはじめて
地域のひとたちに受け入れられたものがあります。
自分の商売する地域が好きでなければ,
お客様に店を受け入れてもらえないものですよ。
私たち商人は,自分の店が好きだから少しでも店を良くしたいと思うし,
自分の暮らすまちが好きだから商店街事業もやる。
商人として,市民としての原点に帰って,ひとりひとりのお客様に
真摯に向きあう。
今やるべき事が何なのか,地域に対して自分は何ができるのか,
常に問い続けていくことが必要なのだと思っています。
これから私が目指して行きたいのは,このみずほ通商店街から
魅力ある繁盛店を数店つくることです。これは私が信頼する商店街内の既存店に
取り組んでもらいたいと思っています。
商店街事業を通じて培われたネットワークの中から繁盛店が生まれれば,
相乗効果で商店街全体に良い影響が波及していくと考えています。
商業課:本日はお忙しい中,
ありがとうございました。ますますのご活躍を期待しております。


大川氏が理事長を務めるみずほ通商店街では,
年間を通じて子供を対象とした商店街活動を実施している。


(左)兄の勝人氏 (右)弟の達也氏

いつもご協力いただいている、旭川市のW様のインタビュー記事を掲載させてい
ただきました。
素敵な文章にまとめあげていただきありがとうございました。
感謝!